Subbacultcha

「サブカルチャー」という括りの下、文学・芸術・漫画・映画等について述べます。

2016年10月3日月曜日

川島のりかず『殺しても生きてる女』

川島のりかず『殺しても生きてる女』
怖さ:☆☆
造型:☆
状況:☆☆☆

※ネタばれアリ!


「登校途中に自動車事故から救われた」という恩義から、家に招待した女が、入り浸る!兄を喰う(性的に)!ドライブに行く!(父の運転・父の車で・おじいちゃんをトランクに詰めて)
北九州監禁殺人事件を思わせる様な陰惨な一家乗っ取り事件。だが、昭和60年代にして既にそれは川島のりかずの想像の範疇にあった!!
また、タイトルからも分かるんですが、作中において3回、これ以上無いほどに「殺した!」と思える方法でとどめを刺すも、蘇る。ラストの見開きでの蘇りっぷりは、富江を凌駕するホラークイーンの如し!
その蘇りっぷりが、如何にも駄菓子的感覚で気軽に見れる「ひばりホラー漫画の魅力」を感じさせる一つのポイントではあるものの、
それ以上に、性的に魅入られたお兄ちゃんがどんどん女の配下になっていく・家中を叩き壊すところ、もしくは憎しみが高まり現れる家族の女への殺意に、きっちり「人間の本性の浅ましさ」を入れ込んで来る、川島のりかずの良作です。



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