Subbacultcha

「サブカルチャー」という括りの下、文学・芸術・漫画・映画等について述べます。

2016年11月25日金曜日

杉戸光史『なめくじ少女(怪奇!なめくじ少女)』



杉戸光史『なめくじ少女(怪奇!なめくじ少女)』
怖さ:☆☆
造型:☆☆☆
状況:☆☆



杉戸作品で一個選べ、と言われたら奇形児とか百の目もいいけどうーんコレかなぁ、という作品。


ありそう、ありそうなんだけど案外無い「なめくじホラー」を代表する漫画です。これ以外だと伊藤潤二さんの同名のソレくらいしかパッと思い浮かぶのがありません。

少女が巨大ナメクジに襲われる!
と思ったら少女はナメクジ少女へと変貌する!!
そのビジュアルは絶対的な奇妙さ・気持ち悪さがあります。ナメクジってよりは、あのカタツムリに付くロイコクロリディウムなんかを思い出します。

粘液で少女たちがベトベトにされたりしますが、全くもってエロスを感じる暇も無く。

ひたすら、巨大ナメクジとナメクジ少女がかわりばんこに現れて、ヒロインと読者を脅かすのですが、いかんせん「脅かすだけ」という内容故に、ちょっと展開は弱い。

でもですね、ひばり書房黒枠全般に言えることなのですが、この表紙、どぎつ過ぎるでしょ。も、一目で「なめくじ少女」と納得させられる破壊力。読んでもああ、やっぱりなめくじ少女だな、と思わせられるこのシンプルな切れ味よ。

「神木」との二本立てですが、こっちはあんまり印象に残らんかなぁ。

とはいえ、良い本だ、ということです。



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