Subbacultcha

「サブカルチャー」という括りの下、文学・芸術・漫画・映画等について述べます。

2016年11月29日火曜日

諸星大二郎『BOX 1』

諸星大二郎『BOX 1』
怖さ:☆
造型:☆☆
状況:☆☆☆



諸星作品において、おそらく初めてとなる「デスゲーム」マンガ。

とはいえ、タイトル・表紙から「CUBE」を連想したのですが、流石諸星御大、普通の脱出ゲーム・殺し合いゲームみたいものをやる筈もなく。

様々な形の「パズル」が届いた参加者は、パズルに惹かれてある場所へ集まる。箱型の建築物に参加者が全員入った時、建物は入り口を封鎖する…。

見所としては、まず

・パズルを諸星先生が自ら全部作っていること。
迷路、パズル、クイズ等が登場するのですが、なんというかありそうでなかった幾何学×諸星コラボ。苦しんで作られてそうですが、いや、一種作者が楽しんでいるのも感じられるような。

・歪んだ空間、歪んだ登場キャラクター
やはり諸星作品といえば「不定形」「歪み」が作品を埋め尽くす密度。
本作では、「物理的にどこかが欠けたキャラ」や「グネグネ」が登場。まぁグネグネは準レギュラー感ありますけど…

・古いのに新しい、新しいのに古い

やったー!!

諸星作品にパンツが、枠線ぶち抜きでパンチラが出て来た!!!
…あんまりラッキー感、エロいもの見た感は残んないですね…。
あれ?でもこのキャラ…

キョウコ!!
『キョウコのキョウは恐怖のキョウ』のキョウコ!?
…って思ったら「興子」… 関係無いのか…
と思いきや、あとがにそれについて明記が。またこの興子が良いキャラです。ゼピッタを思い出すような。

あと、これもやったーーー!!
諸星作品における「BL」、単語として二度目の登場だ!!

ちなみに1回目は「夢見村にて」。

俺は「諸星大二郎作品に登場するBLを数える職人」として暮らして行きます。ありがとうございましたじゃない、えー、一筋縄ではいかない脱出ゲームを見たい方は勿論、既存の諸星ファンもワクワクどころが沢山ある良作です。買って損なし。

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