Subbacultcha

「サブカルチャー」という括りの下、文学・芸術・漫画・映画等について述べます。

2017年10月31日火曜日

内田春菊『呪いのワンピース』


怖さ:☆☆
造型:☆☆
状況:☆☆


『南くんの恋人』は結構面白く読んだくせに、岡崎京子のリバーズエッジとかヘルタースケルターは評価するくせに、
「90年代レディース漫画」と一括りにして内田春菊の漫画はほとんど読んだことがありませんでした。

が。『呪いのワンピース』、元々レモンコミックスから出ているのもあって、思った以上にきちんとホラー漫画だった。
「呪いのワンピース」というアイテムがあり、綺麗になりたい・もてたい・変わりたいという願望を持つ女の子たちがそれに触れることで、怪奇な破滅を迎えてしまう、という連作短編。
ホラー的造形や、思いも寄らぬ展開が待っているとは言い難いものの、
「あっさりしていること」が魅力の一つである内田春菊漫画がホラー漫画に変貌するその落差、中々にゾクゾクくるものがあります。

また、「そう」なってしまう女の子たちの心情の描写については流石、の一言。
男でも無く、女でも無く、未来への願望と不安に溢れた「女の子」。人より秀でたい、誰かを犠牲にしてでも得たい。改めて「ホラーな状況は負の感情が呼び起こす」ことを再確認しました。

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